「モリー。あなたとアーサーは頼りにできると考えて良いかな?」

「もちろんですわ」

 血色の良いウィーズリー夫人の唇はいまや真っ青だったが、ダンブルドアが訊ねると彼女は決然とした面持ちで頷いた。

「ファッジがどんな魔法使いか、アーサーはよく知っています。アーサーはマグル好きだからここ何年も昇進できなかったんです。ファッジはアーサーが魔法使いとしてのプライドに欠けると考えているんですよ」

「では、アーサーに伝言を送らねばならぬのう」

 それからダンブルドアはウィーズリー氏への伝言をビル・ウィーズリーに託し、ハグリッドとマクシームを早急に校長室に呼ぶようマクゴナガルに頼んだ。

「それから、ポピー」

 続け様にダンブルドアが呼び掛けると、ポンフリーは強張った身体で驚いたように飛び上がって彼を見返した。

「ムーディ先生の部屋に行ってくれぬか。そこにひどく落ち込んだウィンキーという屋敷妖精がおるはずじゃから、できるだけ尽力して厨房に連れ帰っておくれ。ドビーが彼の面倒を看てくれるはずじゃ」

「は、はい」

 頷いて、ポンフリーもまた慌しく医務室を去っていく。扉が閉まり、彼女の足音が完全に聞こえなくなってからダンブルドアは徐に口を開いた。

「さて、そこでじゃ」

 つぶやいた彼の瞳が、足元に大人しく佇む黒犬を一瞥する。は激しく痛む左腕を押さえつけながら手元に視線を落とした。

「ここにいる中で二名の者が、お互いに真の姿で認め合うべき時が来た。シリウス……普通の姿に戻ってくれぬか」

 ああ、きた。左の拳をきつく握り締め、乾いた唇を舐める。

 彼が一瞬で人間へと姿を戻すのと、ウィーズリー夫人が叫び声をあげて後方に飛び上がるのとはほぼ同時だった。

シリウス・ブラック!

「ママ、静かにして!大丈夫だから!」

 必死の形相で、ウィーズリー。

 セブルスはその場から一歩も動かなかったが、それでも顔中に滲み出す嫌悪と怒りは抑え切れないようだった。同様に表情を歪めて彼を睨んでいるシリウスを見てから、一度こちらへと視線を移し、そしてまた彼を見つめる。

「なぜ貴様がここに   

「わしが招待したのじゃ」

 ダンブルドアはゆっくりと、二人を交互に見やった。

「セブルス、シリウス。わしは君たちを二人とも信頼しておる。そろそろ昔のいざこざは水に流し、お互いに信頼し合うべき時じゃ」

 だが案の定、彼らは最上級の憎悪をぶつけて睨み合ったままぴくりとも動かない。ダンブルドアは珍しく苛立たしげに嘆息し、小さく首を振ってみせた。

「妥協するとしよう。あからさまな敵意をしばらく脇に置いておくというだけでいい。握手するのじゃ。君たちは同じ陣営なのじゃから。今は時間がない。真実を知る数少ない我々が結束して事に当たらねば望みはないのじゃ」

 それからも優に数秒ほどは誰も身動きひとつ取らなかったが、ようやくセブルスとシリウスが物憂げに手を伸ばした。ゆっくりと、ますます表情を歪めながらほんの一瞬だけ握手を交わす。まるで同じ極の磁石のようにあっという間に離れた二人の間に立ち、ダンブルドアはあとを続けた。

「当座はそれで十分じゃ。さて、それぞれにやってもらいたいことがある。予想していなかったわけではないが、ファッジがあのような態度を取るのであれば全てが変わってくる。シリウス、君にはすぐに出発してもらいたい。昔の仲間に警戒体制を取るように伝えておくれ。リーマス・ルーピン、アラベラ・フィッグ、マンダンガス・フレッチャー。しばらくはルーピンのところに潜伏してくれ。わしからそこに連絡する」

 リーマス。

 今、どこにいるのだろう。どこにいるのか、何をしているのか。訊けなかった。職を、居場所を与えられている自分が彼にそんなことは訊ねられなかった。

 不安げに顔を上げたハリーを見て、シリウスが励ますように小さく微笑んでみせる。

「またすぐ会えるよ、ハリー。約束する。だが私は自分にできることをしなければならない。分かるね?」

「うん……うん、もちろん、分かります……」

 シリウスはハリーの両手をぎゅっと握った。それから視線を上げて   確かに、こちらを見た。思わず瞼を伏せる。どんな顔をすればいいのか分からなかった。今はそれどころではないと分かり切っているのに。彼の言葉が脳裏に蘇った。

 待っていて欲しい。

 彼の眼を見るのが、怖かった。何もかもに真っ直ぐだった、あまりにひたむきだった彼の瞳が。

 シリウスは救いを求めるようにダンブルドアに視線をやった。老人が浅く頷くと同時、ハリーの側を離れて飛ぶようにこちらにやって来る。がぎょっとしているうちにベッドの傍らに立った彼は不安げに彼女の顔を覗き込んで囁いた。

「身体は……大丈夫か」

「えっ……」

「ダンブルドアから、聞いた。奴の復活で印が戻ったって……その呪いのせいで、お前が何度も気を失ったと」

 無意識に左腕を庇って彼から顔を逸らす。身体中に走る悪寒は呪いによる痛みだけのせいではないだろう。ベッドの上で自分の身体を抱えて小刻みに震える彼女を、シリウスは何の前触れもなくきつく抱き締めた。

 時が凍り付いたのかと思った。

 何もかもが、視界から消えていく。何も聞こえなくなった。マグルの写真のように、切り取った一瞬。そんなものがあるとすればだが。

 だが目の前から聞こえてきた彼の鼓動のお陰で、自分はまだ生きているのだということに気付いた。シリウスの熱を帯びた腕が、背中に密着して引き寄せる。

 抵抗という文字を忘れた。ただ、茫然と彼の脈を肌で聞く。

「俺が必ず……どうにかする」

 意味が分からず、は彼の腕の中で二、三度瞬いた。

「お前の呪いを解く方法は、必ず見つけるから……お前の痛みを引き受けることはできないが、だが   いや……だから、だからこそ。お前は何も心配せずに、ゆっくり眠ってくれ。俺は……行かないと」

 そう言った彼が、そっと。

 彼はガラス細工でも扱うかのように本当に優しげな、哀しげな手付きで彼女の痩躯を放した。それは……そうだ。彼に連れられて訪ねた、サウスエンドオンシーの小さな一軒家で。たった一度だけ身体を重ね合ったその時の様に似ていた。

 覚えていた。そんな遠い日々の欠片を。忘れてはいなかった。

 そのことが。

   シリウス……」

 立ち去ろうと踵を返した彼は一瞬だけ足を止め、振り返らずにそのまますぐ医務室を出て行った。ウィーズリー夫人や子供たちは唖然とした様子でシリウスの消えた扉ととを交互に見ていたが、ダンブルドアが再び口を開いたのでまたそちらを向いた。

「セブルス」

 彼の呼び掛けに、暗い面持ちでセブルスが応じる。はとうとうその時が訪れたことを悟った。

「君に何を頼まねばならぬのか、もう分かっておろう。もし、準備ができているのなら……もし、やってくれるのなら……」

「分かっています」

 静かに、ひっそりと。彼はほとんど顔を動かさずに頷いた。

「ありがとう。それから……のことじゃが」

「心得ています」

 先ほどと同じ調子で彼はすぐさま答えた。その眼はじっと頑なに足元を見下ろしている。は視線を合わせようと根気よくセブルスを見つめ続けたが、彼はそれを意図的に拒んでいるようだった。

 扉に向けて歩き出した彼の後ろ姿に、声をあげる。

「待って!セブルス   

 呼び止めてから、そのことを悔いた。こうなることは分かり切っていたはずだ。そのことは口に出さずとも了承済みだった。私が今、彼に言うべき言葉など何もない。それなのに、遣り切れない思いでいっぱいだった。

 自分はまた、騎士団のために何もできない。あの頃と同じように、身動きが取れないでいる。

 驚いたことに、振り向いた彼はそのまま足早にのベッドまで戻ってきた。布団の上に座り込んだままの彼女を無理やり横たわらせ、にべもなく言ってくる。

「お前はここに残るしかない。分かっているだろう」

「……分かって、るわ。分かってる……そんなこと」

 そんなことが言いたかったわけではない。そんなことが。

 この身体が。たまらなく憎い。こんなところで蹲っているしかないこの血が憎い。

「俺がうまく立ち回る。お前は黙って休んでいろ」

 そんなことが聞きたかったわけではない。そんなことが。

 彼は自然な動作で懐から小さなガラス瓶を取り出し、緑色の液体が入ったそれを傍らのスツールに置いた。

「ひとまずこれを腕に塗って、あとはまた校医に水薬を貰え。戻ってから俺が別の薬を煎じてやる。殊にお前の身体はお前だけのものではないんだ」

 一方的にそれだけを告げて、彼もまた医務室を去っていく。セブルスが閉めたドアをはそれから数分ほどぼんやりと見つめていた。残った誰もが、何も喋らなかったからだ。

 帝王の復活に、どれほど恐怖したか。その次に襲ってきたのはどうしようもない歯痒さ。誰もが役目を得て散っていった。自分はただ、その場凌ぎの薬を与えられて眠るだけだ。こんなことに耐えられるか。だが実際、どうしようもない。呪いの痛みで意識は朦朧と揺れ、満足に動くこともできないのだから。

 こんな身体でホグワーツを出れば、あっという間に捕まってしまうだろう。

(無敵の存在に)

    何があっても、それだけは避けねばならない。分かっている。自分はこうして、ここに蹲っているしかない。

 ダンブルドアはウィーズリー夫人に二言三言なにやら囁いてから、静かにこちらへと移ってきた。スツールに載せられた瓶に手を伸ばそうとする彼に、告げる。

「……あとで自分でやります。それより、校長。何か私に……できることはありませんか。この城を出られないことは分かっています。だからせめて、ここで自分にできることを   

「君の気持ちはよく分かる。じゃが、分かっておくれ。どういった呪いなのか、分からぬのじゃ。セブルスがおれば、ある程度痛みを抑えるだけの薬はできるじゃろう。じゃが無理をすれば、何が起こるか分からぬ。セブルスの言う通りじゃ。君の身体は、君だけのものではない」

   それじゃあ、私はまた!」

 声を荒げた後で、無性に空しくなって口を噤む。何を言ったところでどうしようもない。この血が闇の陣営に渡ればきっと打つ手はなくなるのだから。最悪の事態だけは避けねばならない。無敵の存在。それはあまりに曖昧な言葉ではあったが。

 ダンブルドアは寂しげに眼を細め、片方の手で開いたままのカーテンを掴んだ。

「さあ……わしは下に行かねばならぬ。ディゴリー夫妻に会わなければのう。マダム・ポンフリーにはまた新しく水薬を渡すよう頼んでおこう。その薬を塗って、水薬を飲んで休むのじゃ。今夜起こったことは……また日を改めて説明するとしよう。今日は、ゆっくりお休み」

 そして静かにそのカーテンを引き、彼女を周囲の空間から遮断する。ダンブルドアや子供たちの姿がカーテンの向こうに見えなくなってから、はようやくセブルスの薬を見た。エメラルドグリーンの、透き通った色彩。彼女の知らない薬だった。

 これを煎じる時、彼は一体何を思ったのだろう。

 様々なことが脳裏を埋め尽くし、儚く消えてはまた泡沫のように浮かんできた。ムーディ、クラウチ、ディゴリー、プライア、ファッジ、シリウス、ジョーキンズ、ジェームズ、リリー……そして、父の姿。

 今夜だけで、まるで一年分の夢でも見たかのような気分だった。目覚めれば霞となって薄れていく、ただそれだけの幻影。

 だが確かに自分はバーティミウス・クラウチに会い、ディゴリーは死んだという。ハリーはファッジの手からガリオン金貨の山を受け取った。三大魔法学校対抗試合は、最悪の形で幕を下ろしたのだ。

 左腕を。きつく、抱き寄せる。だがひょっとすると、やはり全ては夢なのかもしれない。

 それでも袖を捲り上げるだけの勇気は、なかった。

 ダンブルドアが医務室を去っていく音を聞いた。それからしばらくの間、ウィーズリー夫人やハリーが小声で何かを話している声も聞いた。はそちらに背を向け、布団の中で小さく小さく身を縮めた。そうすれば自分の存在までもなかったことにできるかもしれないと、一抹の期待を抱えて。

 だが確かに、自分はこうしてここにいる。どれだけ忌み嫌い、消し去りたいと願っても。

 セブルスが置いていった薬は塗らなかった。戻ってきたポンフリーが様子を見にカーテンを覗きにきても、眠っている振りをし続けた。そうすることで痛みを繋いでいられる。どのみち何もできないでいるのなら、苦痛を和らげたところで何の意味もない。

 私が苦しめてきた人々の痛みなど、こんなものではないはずだ。

 吐くまで苦しめ。救われる道なんてない。

 握り締めた拳を解き放ち、その汗ばんだ手のひらを見つめながら眼を閉じる。苛む自己嫌悪の中で、それでも聞こえてくる鼓動があった。

(……シリウス)

 今はまだ混乱していると、彼は言った。だから待っていて欲しいと。その彼が何の迷いもなく、ただ力強く彼女を抱き締めた。

 何も言えなかった。その手を振り払うことができなかった。

 求めているのか。彼を。

 だとすればそんなものは。

(私にそんな資格、ない)

 求めるものに触れる距離。

 許された者だけが知り得るそれを、赦されざる者が請うなど。

(駄目だ……そんなことは、できない)

 音を立てずに、深く、長い息を吐き出す。

 どのみち忘れてしまった。誰かを愛するということ。思い出す必要もない。

 今の自分にできることを見つけよう。あの頃もそうしてきたじゃないか。

 感覚が麻痺していたわけではなかろうが、思いのほか睡魔は早くに訪れた。それともこれは、ただ気を失う直前の陶酔感なのか。

 どちらでもいい。どちらでも大差ない。

 無意識に伸ばした手は空を切り、彼女はそのまま眠りに落ちた。

















 翌朝、ハリーが退院し、ポンフリーに外してもらった医務室の隅では昨夜起こった悲劇のすべてをダンブルドアから聞いた。クラウチのこと、ジョーキンズのこと。迷路に置かれた移動キー。そして、帝王復活にピーターが大いに関与しているということ。

 やはり彼は、帝王のところに還ってしまったのだ。

 あの時、殺せばよかった。彼は闇という容易い世界に逃げたつもりなのだろうが、そこが決して安楽の道でないことは彼にもよく分かっているはずだ。

 殺してあげればよかった。それがかつての友としての、最後の情けだったに違いないのに。

「ハグリッドにはこの夏、北へ赴いてもらうことになった」

 ベッドの傍らのスツールに腰掛けたダンブルドアはそう言って軽く顎ひげを撫でた。そういえば、こうしていると学生時代彼に見舞ってもらったことを思い出す。あの時も確か、このベッドだったように思った。

「国外に残っている巨人の説得、ですね」

「その通りじゃ。前回の巨人による被害を思うと……一刻も早く、手を打たねばならぬ。マダム・マクシームはまだ考えあぐねておるようじゃが、今ハグリッドが彼女を説得しておる。彼女も事の重要性は分かってくれておる故、きっと協力してくれるじゃろう」

「そう……ですか」

 巨人の気性の激しさは彼女もよく知っている。困難な任務になるだろう。騎士団員でもないマクシームがそういった危険を冒そうというのに、やはり自分は何もできないのか。

 くすんだ天井をぼんやり見つめていると、二度のノックの後、片手にガラス瓶を持ったセブルスが入ってきた。仏頂面というよりは、ひどく困憊しているように見える。それもそのはず、暗いうちに帝王のもとから戻ってきた彼はそのまま一睡もせずに彼女の薬を調合し始めたのだ。全般的な闇の呪いに伴う苦痛を和らげるための   最も困難で、最も危険と謂われる薬。

「濃度はかなり薄めてある。副作用は少ないが、当然効果も落ちる」

「ええ……ありがとう」

 大人しく瓶を受け取り、は礼を言った。彼は一瞬隅のスツールに載ったまままったく中身の減っていない薬を一瞥したが、僅かに眉を顰めただけで何も言わなかった。

 招集に遅れてひとりで現れたセブルスに、帝王は様々な問いを投げ掛けたという。なぜ招集をかけたその直後にやって来なかったのか。十三年前どうして彼を捜そうとしなかったのか。ずっとダンブルドアの下で養われているとは一体どういうことか。なぜ三年前クィリナスが賢者の石を手に入れるのを阻んだのか。ハリー・ポッターを殺す機会など山のようにあったはずなのに、なぜまだあの少年は生きているのか。

 どうして今ここに、を連れて戻らなかったのか。

「お前は常にホグワーツで見張られていると伝えた」

 この十三年ダンブルドアの情報を蓄えていたと言ったセブルスは、今後も騎士団のスパイを続けると帝王に告げた。そのためには、下手にを連れ出すことはできない。いつか必ず彼女を連れ帰る。それまでは、持ち帰る情報のみで耐えて欲しいと。

 彼の調合した薬は泥でもそのまま飲み下しているかのようなひどい味がした。咳き込みながら、なんとか気持ちだけで瓶を空にする。脱狼薬もこういったものなのだろうか。だとすればこんなものを一年間も飲み続けた彼は思った以上に我慢強い性質なのだろうなと他人事のように思った。

の呪いのことは、何か分かったのかね?」

 ダンブルドアが訊ねると、セブルスは嘆息混じりに首を振った。

「いえ……は苦しんでいるのだろうな、と、帝王はそれだけを口にしていました。あの呪いを解けるのは、自分だけだとも。ですがそれ以外のことは、まったく」

 ただ、と彼はさらにあとを続ける。

「一つ言えることは、を死に至らしめるようなそういった類の呪いではない、ということです。自分の身体を手に入れて復活した今、帝王が最も欲しているのは自分の血を継ぐ人間です。死なせてしまっては元も子もありません。一度そのことで失敗しているので、帝王はもう同じ過ちは繰り返さないはずです」

    失敗。

 帝王の"失敗"に母は殺された。

 もしかしたら今、既に呪い殺されている未来があったのかもしれない。

の血さえ手に入れば、帝王はすぐにでも大々的に行動を起こすつもりです」

 "無敵の存在"。それは無論、ダンブルドアをも恐れぬ最強の力を示す。

 やはり自分は、ここでこうしてじっとしているしかない。

 二人が去った後、また虚ろな瞳で天井を見上げたは慢性的に続く左腕の痛みが少しだけ治まったように感じたが、それすらも錯覚だったのかもしれない。昨夜この肌に感じたはずの彼の温もりがきっと夢幻だったのと同じように。