概要
・。物語の主人公。ホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮に所属する女子生徒。日本人。イギリス国内に住居を持たない唯一の生徒である。
人物
名前・通称
低学年時はたびたび罰則を食らっていたため、「罰則王女」と呼ばれることもあった。
外見
大きな黒い瞳、肩まで伸びたストレートの黒髪。普段は下ろしているが、友人に強引に髪をアップにさせられることがある。東洋人の血が濃いため、同世代の中では小柄、童顔。母を知る人物には、怒った顔、拗ねた顔が母親にそっくりと言われるが、そうでなくとも充分似ているようだ。フィディアス・リンドバーグによれば、鼻は父親似らしい(どちらにしても低い)。
来歴
1960年6月19日、ロンドンのサザークに住むマグル・と、魔女の間に長女として生まれる。保育園には行っていないが、近所の公園で同世代の子供たちや愛犬ムーンと遊び回り、マグルの生活の中で幼少期を過ごした。
4歳のとき母を失い、アルバス・ダンブルドアに記憶を操作されて父と共に日本へ移住した。その際、1歳から4歳までの記憶をごっそり失くしている。母の存命中すでに魔力の片鱗を見せているが、日本でも随一のパワースポットに送られたため、以降それらしい力は見せず、内にこもった魔力がうまく分散されなかったせいで日本の生活においては情緒不安定だったと思われる。
1971年7月ホグワーツ魔法魔術学校への入学許可書を受け取り、母親が魔女だったことを初めて父から聞かされた。9月1日同校に入学。スリザリン寮に組み分けされるも、校長アルバス・ダンブルドアから疑念を呈され、再び組み分け帽子を被ってグリフィンドール寮へ移ることを決めた。組み分けのやり直しは、後にも先にも彼女のみである。
2年生のとき、友人であるジェームズ・ポッターやシリウス・ブラックのファンに呼び出され、そのリーダー格だったアイビス・プライアによって重体の危機に晒されたことがある。だがこの事件をきっかけに、同室のリリー・エバンス、ニース・ジェファとの絆が深まった。
3年生のとき、闇の魔術に対する防衛術を担当したフィディアス・リンドバーグが母の友人だったことを知り、以来何かと気にかけてくれる彼をまるで兄のように慕っていた。だが6年生に上がる夏、フィディアスが何者かに襲われ二度と目を覚まさないかもしれないという状態に陥り、は彼を治すために癒者を目指すことになる。
7年生のとき、同級生のシリウス・ブラックと婚約し、卒業後しばらくはサザークで生活していたが、ヴォルデモートの開心術によって失った記憶を取り戻し、ダンブルドアへの怒りと憎悪に耐え切れず、シリウスたちの前から姿を消した。
性格・才能
素直で一生懸命だが、11歳まで魔法界から隔絶され、褒められる経験をほとんどしていないため自分に自信がない(幼少期にたくさん褒められたという記憶は失われている)。自分の本来いるべき場所に戻り、生き生きと生活するに好意を抱く男子生徒は多かったが、実際にその思いを伝える者はあまりいなかったので、自分がもてるとは夢にも思っていない。
勉強が大好きというわけではないが、友人と一緒であれば進んで努力ができる。もともと歴史と動物が好きで、ホグワーツの授業では魔法史と魔法生物飼育学を好む。概して実技が得意だが、中でも闇の魔術に対する防衛術と変身術において好成績を修めている。癒者を志すと決めてから、苦手な魔法薬学にも骨身を削るようになった。
サラザール・スリザリンの血を引くパーセルマウスであるが、本物の蛇を目の当たりにしたのは一度だけで、自身がパーセルタングを話したことはない。
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人間関係
血縁
父親は日本からロンドンに留学していたマグル・。母親はヴォルデモートの娘である魔女・。後見人はフィディアス・リンドバーグ並びにジェーン・リンドバーグ(後に離婚し、ベンサム姓に戻る)。兄弟姉妹はいない。 【さらに読む】
友人
日本のマグル界では心を開くことのできる友人を見つけられず、放課後はすぐに帰宅しひとりで過ごすことが多かった。イギリスの魔法界では複数の友人に恵まれ、中でもジェームズ・ポッター、リリー・エバンス、ニース・ジェファは親友である。シリウス・ブラックとも親しかったが、後に彼とは恋仲になる。
入学前、オリバンダーの店で気さくに話しかけてきたジェームズに初めは戸惑ったものの、程なくして彼とは自他共に認める親友となった(だがとシリウスが付き合い始めてからジェームズは一歩引いたところに立つようになった)。
リリーは出会い頭に平手を食わせるという最悪の出会いだったため、同室でありながら一年以上冷戦状態が続いていたが、の入院騒動を経て互いに素直な気持ちで向き合えるようになった。
ジェームズに思いを寄せるニースとは一時期絶縁状態だったものの、これも入院騒動によって友情を取り戻す。しかしこのときニースはアイビス・プライアの計画に不本意とはいえ手を貸したため、心の中にはへの負い目がある。そのため、他の友人たちと行動を共にすることも多い。
それ以外の友人については下記を参照。
・ルビウス・ハグリッド(魔法界で初めての友人)
・リーマス・ジョン・ルーピン(同寮の同級生)
・ピーター・ペティグリュー(同寮の同級生)
・ラルフ・サイラス(同寮の同級生。元恋人)
・スーザン・ウィットウェル(同寮の同級生。仲良しグループのひとり)
・マデリン・モリンズ(同寮の同級生。仲良しグループのひとり)
・メイ・オルニー(同寮の同級生。仲良しグループのひとり)
・ワット・リンドホルム(同寮の同級生)
・ディアナ・バルデス(同寮の同級生)
・クララ(同寮の同級生)
・ハナ(同寮の同級生)
・ディック(同寮の同級生)
・イアン(同寮の同級生)
・アリス・ローチ(同寮の上級生)
・ダーク・クレスウェル(同寮の上級生)
・ブルーノ・ニファー(同寮の上級生)
・オーセリー・ディレク(同寮の上級生)
・バート・トイ(同寮の下級生)
・ミランダ(同級生)
・カトリーナ(同級生)
・レギーナ(同級生。スラッグクラブ)
・バーサ・ジョーキンズ(上級生)
・ラナ(同級生。古代ルーン語)
・フィービー(同級生。古代ルーン語)
好意・恋愛
2年生のとき、ジェームズらのルームメートであるリーマス・ジョン・ルーピンに恋をし、彼女の熱意によってリーマスは人狼の秘密を打ち明ける。ふたりは両思いだったが、互いに臆病で、に好意を寄せるラルフ・サイラスが彼女に告白したことを知ったリーマスは、彼女にラルフとの交際を勧めた。こうしてふたりは初恋を諦めた。
ラルフとは3年生のバレンタインから付き合い始めたが、1年を待たずして別れを告げられる。その後、数年来の友人であったシリウスに特別視されていることを打ち明けられ、やがて自然と付き合うようになった。7年生に上がる夏、シリウスから家族になってほしいとプロポーズされ、承諾するも、卒業後まもなくシリウスの前から姿を消した。
その他、セスナに告白されたり、ダンスパーティ前には複数の男子生徒から誘いを受けている。同寮のピーター・ペティグリュー、イアンらもに好意を寄せているが、彼女は気付いていない。スリザリンの同級生エバン・ロジエールにキスされたこともあるが、そこに好意が含まれているかは不明。
苦手・嫌悪
一部の例外はあるものの、概してスリザリン生には苦手意識がある。とりわけ強引にキスしてきたエバン・ロジエールや、好意を寄せるリリーに「穢れた血」発言をしたセブルス・スネイプには嫌悪感を抱いている。攻撃されたときの記憶がないため、苦手意識はあるものの、アイビス・プライアに対してとりたてて激しい感情はない。
フィディアス・リンドバーグを襲った彼の実兄ジェネローサス・リンドバーグを憎んでいるが、同時に彼の中に垣間見えるフィディアスを身近に感じることもあり、複雑な感情を持っている。そしてそれ以上にアルバス・ダンブルドアへの憎悪が勝り、は嫌悪するジェネローサスらと組むことを決めた。
財産・ペット
母親の遺産
学生時代に宝くじで60万ガリオンを引き当てた母は、すでにとの結婚を考えていたので、それをすべて未来の子供のために使おうと、卒業後すぐにグリンゴッツ魔法銀行に専用の金庫を開設した。当選金はの養育費のみに使われ、の死亡からのホグワーツ入学まではまったく引き出されていない。現在はの名義となり、すべて彼女の財産である。
杖
本体はイチイ、芯は一角獣のたてがみ、25センチ。オリバンダーの店で購入した。
ペット
1年生時からムーンという森ふくろうを飼っていたが、姿を消す際、サザークに残してきた。
十字架のネックレス
ホグワーツ入学前、母のものだったとハグリッドから手渡された。これには何年も日本で育った彼女のために言語能力を高める魔法がかけられていたが、もともとは悪夢にうなされるのためにダンブルドアが魔法をかけて彼女に贈ったもの。クロスの部分にガラスが埋め込まれている。 【さらに読む】
懐中時計
フィディアス・リンドバーグはこの懐中時計と白い薔薇を贈り、に母親の死の真相を打ち明けようとしていた。
日本のお守り
日本旅行の際、シリウスらとお揃いで購入した開運厄除のお守り。鈴がついている。
好きなもの
・青い空、海、満月の夜