概要
フィディアス・ユンク・リンドバーグ。・の母親の友人。
1年間、ホグワーツ魔法魔術学校で闇の魔術に対する防衛術を担当したが、退職後、何者かに襲われ意識不明の状態が続いている。
人物
名前・通称
ファーストネームの「フィディアス」は、ラテン語で「忠実」を意味するfidesに由来する。
ミドルネームの「ユンク」は、近世に生きたリンドバーグ出身のユンク伯爵から取られているが、これはラテン語で「塗油」を意味するunctioに由来し、フィディアスの父親が、神を主、王をそれに忠実な側近になぞらえ、権威と力を再び与えられることを願って息子につけた名前である。親が子供のミドルネームを考えることはリンドバーグ家の伝統。
ファミリーネームの「リンドバーグ」は、彼の先祖がスウェーデン王族から与えられた「リンドベルイ」という名前がイギリスに入って英語読みされたもの。
兄であるジェネローサスがそう呼んでいたため、学生時代、ジェネローサスと親しい者は彼を「フィディー」と呼んでいた。また、レイブンクロー生の中でも飛び抜けて知的好奇心が旺盛で、「レイブンクロー・オブ・レイブンクロー」と呼ばれることもあった。
外見
肩口まで伸ばした黒髪を無造作にまとめている。もとはそれなりに整った顔立ちだったようだが、・の死やジェーン・リンドバーグとの破局、アルバス・ダンブルドアへの失望など様々なダメージが重なり、表情が厭世観に歪んでしまったと思われる。外見にも無頓着を貫き、クロス・プレス社の取材時のみ必要に駆られて身なりを整える。ホグワーツ魔法魔術学校で教鞭を執っていたときは、萎びたローブを着ていた。細身の長身。
来歴
1941年7月19日、魔法族の旧家リンドバーグ家に次男として生まれる。純血を保ちながらも、他の純血一族をも下に見るような傲慢な家風に反発していたが、その頭の回転の速さは父親も認めるところであり、非常に期待されながら育った。
1952年9月1日、ホグワーツ特急の中でと出会い、同日、ホグワーツ魔法魔術学校に入学、レイブンクロー寮生になる。寮は違えど、低学年時は巻き込まれるようにしてとホグワーツ城の秘密を探検して回った。このとき『必要の部屋』も発見している。
17歳の夏に家を飛び出し、親友クラレンス・フィッシャーの親戚の伝手により、バジルドンのクロス・プレス社でアルバイトをしながら夏季休暇をやり過ごした。
1959年6月、ホグワーツ魔法魔術学校を卒業。クロス・プレス社に就職。翌年の春に、ホグワーツ魔法魔術学校の同級生ジェーン・ベンサムと結婚した。程なくして・が授かったの後見人をジェーンと共に引き受ける。
1963年、両親を魔法事故で亡くす。
1965年、・、親子の処遇について真っ向から対立したジェーンに離婚を要求され、これを承諾。
1973年9月、アルバス・ダンブルドアに招かれてホグワーツ魔法魔術学校の闇の魔術に対する防衛術を担当する。契約終了により1年で同校を去るも、退職直前、に自分が彼女の母親の友人であったことを打ち明ける。
1976年7月、ダイアゴン横丁で10年以上接触のなかった兄ジェネローサスと一騎打ちになり、正体不明の呪いに倒れ、意識不明の状態が続いている。聖マンゴ魔法疾患傷害病院の特別病棟で治療を受けているものの、回復の兆しは見られず、癒者らも匙を投げたと思われる。
性格・才能
大雑把で不精な性格だが、仕事に関しては最善を尽くすことで各方面の信頼を得ている。これは7年生の夏に家出した自分を働かせてくれたクロス・プレス社への恩義ばかりでなく、もともと知的好奇心が非常に旺盛なためこの仕事が向いていたからだと思われる。この知的好奇心が災いしてリンドバーグ家の信条にも疑問を抱くようになり、後に家族から離反する。
しかし頭の回転の速さは家族の中でも突出しており、父親はいつか彼がリンドバーグの誇りを取り戻すことを最後まで期待していた。当時のレイブンクロー生の中でもその知性は広く知られており、「レイブンクロー・オブ・レイブンクロー」と呼ばれることもあった(もっともこれはジェネローサスの友人が冗談交じりにつけた名前であるため、フィディアスは嫌っていた)。
フィリウス・フリットウィックが知る限り、レイブンクローのドアノッカーを負かしたことのある唯一の生徒であり、アルバス・ダンブルドアが知る限り、校長室のガーゴイル像と何時間も議論を戦わせた唯一の生徒である。しかしいわゆる天才タイプではなく、学校の試験に関して特別な努力をしていたわけでもないので、成績はトップクラスとは言えなかった。
幼少期から家族に反発することが多かったが、知性を重んじる傾向や他者を見下す態度は少なからず受け継いでいる。これらはなど他寮の学生と交友することで和らいだものの、自分が軽蔑する人間に対しては徹底して冷淡な姿勢を貫く。
人間関係
魔法族の旧家リンドバーグ家に次男として生まれる。兄にジェネローサスがいる。リンドバーグ家はスウェーデン王家のユングリング家に仕えた魔法使い「リンドベルイ」を祖とした純血一族である。一族の信条に疑問を抱いたフィディアスを頭ごなしに一喝したため父親への反感を募らせ、やがてその反抗心は父親を絶対者とする家族全体へと向かうようになる。
17歳の夏、家を飛び出した彼を両親は探そうとはしなかったが、完全に見放したわけではなく、7年生時の授業料も引き続き納めている。
ホグワーツ魔法魔術学校ではルームメートのクラレンス・フィッシャーと最も親しかった。クロス・プレス社に就職できたのも彼の親戚の伝手によるところが大きい。レイブンクローの談話室では兄ジェネローサスが騒いでいることも多かったので、自然と寮を避け、他寮の学生と話をすることもしばしばだった。
1年生のホグワーツ特急で出会った・に一目惚れし、初恋を経験するが、彼女に思いを伝えたことは一度もなく、友情のまま終わっている。5年生からの親友ジェーン・ベンサムと交際を開始し、卒業後に結婚。の死後、親子の処遇について対立し、離婚した。
家族や、彼らを想起させる純血思想を持つ者を嫌悪している。また、の死やらの処遇を巡ってアルバス・ダンブルドアを憎むようになった。
・クラレンス・フィッシャー(同寮の同級生)
・・(同級生)
・ジェーン・ベンサム(同級生。元妻)
・デューク・レイ(同級生)
・ベンジー・フェンウィック(同僚)
財産
杖
本体は白樺、芯はスフィンクスの尾、29センチ。頑固。
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